市況研究社日報

米国物流経路の遅れについて

「市況研究社日報」(穀物) 2018年3月19日(月)

米国穀物の物流経路は、中西部供給地から米ガルフに至る水路物流経路、太平洋北西岸のシアトル、タコマ、ポートランドに至る鉄道による陸路物流経路がある。2月後半から3月は、天候要因によって、穀物輸送に障害が発生した。

米国の物流経路が季節的要因で混乱しているときに、韓国の配合飼料会社による米国トウモロコシ購入が続いた。わが国も「3月2日~3月8日」の戻り高値で「83万8,000トン」(通常の2倍以上)も購入した。シカゴ(CBOT)先物のファンドは、こうした韓国や日本の米国トウモロコシ購入に猛烈なチョーチンをつけて3月戻り高値を買い上げた。

米国穀物の物流について現状をお伝えします。米国穀物の物流経路の遅れは3月一杯続く可能性がありますが、多くの地点で改善に向かっています。

ミシシッピ水系を下航したバージ穀物船の輸送量

2018年1月1日~3月10日のバージ輸送累計は、前年同期比-35%減、過去5年平均比-18%減となった。週ごとの動きは、米農務省の調査で下記の通りであった。

期間     輸送量              バージ船  1艘あたり
3/11-3/17
3/04-3/10 35万9,479トン(前年同期比 -58%減) 253艘  1421トン
2/25-3/03 38万6,530トン(  〃   -53%減) 252艘  1534トン
2/18-2/24 41万8,480トン(  〃   -22%減) 264艘  1585トン
2/11-2/17 57万1,243トン(  〃   -23%減) 362艘  1578トン
2/04-2/10 76万4,331トン(  〃   -13%減) 478艘  1599トン
1/28-2/03 66万4,089トン(  〃   -10%減) 409艘  1624トン
1/21-1/27 53万0,850トン(  〃   -26%減) 320艘  1659トン
1/14-1/20 49万7,468トン(  〃   -32%減) 295艘  1686トン

米ガルフにおける外航穀物船の積み取り

期間     外航穀物船の積み取り  向こう10日以内の積取予定
3/09-3/15
3/02-3/08  39隻(前年同期比 -15%減)    67隻
2/23-3/01  41隻(  〃   -13%減)    53隻
2/16-2/22  37隻(  〃   -28%減)    56隻
2/09-2/15  36隻(  〃   -16%減)    47隻
2/02-2/08  36隻(  〃   -33%減)    49隻
1/26-2/01  40隻(  〃   -15%減)    62隻
1/19-1/25  33隻(  〃   -27%減)    45隻
1/12-1/18  32隻(  〃   -26%減)    66隻
1/05-1/11  36隻(  〃   -16%減)    49隻

外航穀物船の運賃(米農務省調べ)

期間    米ガルフ-日本  米太平洋北西岸(PNW)-日本
3/15/2018
3/08/2018    $45.00/MT     $24.00/MT
3/01/2018    $44.50/MT     $24.00/MT
2/22/2018    $44.00/MT     $23.75/MT
2/15/2018    $43.00/MT     $23.25/MT
2/08/2018    $43.00/MT     $23.25/MT
2/01/2018    $44.25/MT     $24.50/MT
1/25/2018    $44.75/MT     $25.00/MT
1/18/2018    $44.50/MT     $24.50/MT
1/11/2018    $44.75/MT     $24.50/MT
1/04/2018    $43.00/MT     $24.00/MT

現状について

先週の当社「日報」でもお伝えしてきたように、2月中旬以降の悪天候による物流経路の混乱は徐々に改善し、多くは通常運行に回復した。

しかし、米国穀物の物流経路の遅れはまだ続いており、すべてクリアになったわけではない。ミシシッピ下流域のバージ船団規制や昼間運航などは3月一杯残る可能性があります。当社では、現在のベーシス水準は<押し上げられた水準にある>と考えています。

押し上げられたものはいずれ下げるので下げを追求しています。当社は3月14日(水)の「日報」で<当面のピーク>とお伝えしました。

イリノイ川:イリノイ川のほとんどは3月14日時点で通常運航に回復した。The Illinois River at LaGrange Lock and Dam crested at 26 feet on March 7. This was about nine feet short of the record crest of 35 feet set on July 2, 2015. Upcoming scheduled repairs will close LaGrange Lock from March 23 to March 28, and from April 2 to April 6.

ミシシッピ上流域:Rain events have not affected the Upper Mississippi River since considerable portions of the river are closed during the winter. There has been a gradual northward opening of the river as temperatures rise ice accumulations melt. As of March 14, the northernmost report of barge traffic on the Mississippi River is at Lock and Dam 10, near Dubuque, Iowa.

ミシシッピ下流域:Most of the high water issues for the central U.S. have abated and moved southward to the Lower Mississippi River, causing high water conditions. There are no locks on the Lower Mississippi River, which typically allows barge tows of 30 to 40 barges compared with 15 or less on the Upper Mississippi. (バージ船団の縮小)However, with the current high water conditions on the Lower Mississippi River, barge companies have reduced tow sizes to 25 to 30 barges. (昼間航行に規制)In addition, based on the Waterway Action Plan, the Coast Guard is now only allowing southbound barge movements during daylight hours through Memphis, Tenn., Vicksburg, Miss., and Baton Rouge, La. (3月一杯続く可能性)Some industry sources suggest that this may persist for the remainder of March.

米国小麦連合会のコメント

米国小麦連合会(U.S. Wheat Associates)が週末3月16日に公表した現状認識は当社と同じです。

Exporters continue to work through logistical delays across the United States caused by snow and cold temperatures across the U.S. Northern Plains, and fog and high water on the Gulf tributary rivers. Farmer selling of hard red spring (HRS), hard red winter (HRW) and soft red winter (SRW) has been slow, supporting export basis for those classes.

(ⅰ)米国の穀物輸送の遅れは続いている。
(ⅱ)米プレインズ北部~米太平洋北西岸(PNW)の貨車輸送=積雪と低温
(ⅲ)米中西部~米ガルフのバージ輸送=濃霧と増水
(ⅳ)生産者の売りは低調
(ⅴ)米国積み出し港のFOBベーシスは、押し上げられた水準にある

当社では「3月8日~3月13日」の戻り高値を<当面のピーク>と考えています。米国穀物の物流経路が季節要因で混乱しているときに、韓国や日本は「4-6月期」から「7月」のカバーを一気に進捗させた。シカゴ(CBOT)先物のファンドはチョーチンをつけて3月戻り高値を買い上げた。

そういうことを毎年、毎回、繰り返しています。

「オマハ-カウンシルブラフス」のベーシス水準

当社では、シカゴ(CBOT)トウモロコシ先物を分析するとき「オマハ-カウンシルブラフス」のベーシス水準を感度のよい指標にしています。

(ⅰ)シカゴ(CBOT)先物がファンドの売りによって沈降しても、米中西部供給地の「オマハ-カウンシルブラフス」のベーシス水準が上昇しているときは、シカゴ(CBOT)先物の下値は限定されているので売りを手仕舞いしておくのが順当です。

(ⅱ)反対に、「オマハ-カウンシルブラフス」のベーシス水準が下落しているときは売りで行くことができる。シカゴ(CBOT)先物でファンドの買いが続き、相場が跳ね上げているときでも、「オマハ-カウンシルブラフス」のベーシス水準が低下しているなら、シカゴ(CBOT)先物の高値に持続力はないので<売り>を追求します。

<オマハ-カウンシルブラフス
      K=2018年5月限
日付    シカゴ基準限月  オマハ現物   ベーシス

03/16 2018  3.8275 K   3.53-3.56   -30K –27K unch-dn 1
03/15 2018  3.8675 K   3.57-3.61   -30K –26K dn 3-unch
03/14 2018  3.8875 K   3.62-3.63   -27K –26K up 1-unch
03/13 2018  3.9175 K   3.64-3.66   -28K –26K unch
03/12 2018  3.9075 K   3.63-3.65   -28K –26K unch-dn 2

03/09 2018  3.9050 K   3.63-3.67   -28K -24K unch
03/08 2018  3.9350 K   3.66-3.70   -28K -24K unch
03/07 2018  3.8725 K   3.59-3.63   -28K -24K unch
03/06 2018  3.8825 K   3.60-3.64   -28K -24K unch
03/05 2018  3.8725 K   3.59-3.63   -28K –24K unch-up 1

03/02 2018  3.8525 K   3.57-3.60   -28K –25K unch-dn 1
03/01 2018  3.8625 K   3.58-3.62   -28K –24K no comp

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