市況研究社日報

米国穀物の物流が再び遅れる

「市況研究社日報」(穀物) 2018年4月6日(金)

週初の「日報」では<米国穀物の物流は改善している>とお伝えしました。しかし、今週の大雨によって、再びオハイオ川からミシシッピ川が増水し、流れは速くなり、バージ輸送が遅れ、バージ料金が上昇すると共に、米ガルフ積み地のベーシスを押し上げている。米国プレインズ北部~太平洋北西岸(PNW)の貨車輸送についても、低温と雪の影響を受ける。

米国穀物の物流が再び遅れる

輸出市場に向けた米国穀物のスポット・バージ料金は、米国現地4月3日のデータで、イリノイ川=前週比15%上昇、ミシシッピ川=アイオワ州ダベンポートで19%上昇、ミズリー州セントルイスで29%上昇と伝えられた。ミシシッピ水系の物流経路の問題は4月一杯、5月1日まで続く可能性がある。

米農務省は今朝、次のように記した。
Additional Rainfall Contributes to On-going Navigation Disruptions
As of April 5, widespread rainfall in the lower and middle Mississippi River Valley, extending into the Ohio River Valley, has added additional navigation disruptions to already flooded segments throughout the inland waterway system. For example, levels on the Ohio River at Cairo, IL, are already above flood stage but will not crest until April 9. Navigation on the lower Mississippi River continues to be restricted to daylight only, though Vicksburg, MS, and Baton Rouge, LA. Barge movements in the area between Baton Rouge and New Orleans require additional time and towboats to unload grain and return empty barges up river,due to high and fast river conditions.

<ミシシッピ水系を下航したバージ穀物船の移送量
本年1~3月の荷動きは前年同期を大幅に下回った。そして、今週再び悪化している。
期間    移送量              バージ船
3/25-3/31 69万6,950トン(前年同期比 -18%減) 442艘
3/18-3/24 97万6,375トン(  〃   -8%減) 590艘
3/11-3/17 83万8,866トン(  〃   -4%減) 537艘
3/04-3/10 35万9,479トン(  〃   -58%減) 253艘
2/25-3/03 38万6,530トン(  〃   -53%減) 252艘
2/18-2/24 41万8,480トン(  〃   -22%減) 264艘
2/11-2/17 57万1,243トン(  〃   -23%減) 362艘
2/04-2/10 76万4,331トン(  〃   -13%減) 478艘
1/28-2/03 66万4,089トン(  〃   -10%減) 409艘
1/21-1/27 53万0,850トン(  〃   -26%減) 320艘
1/14-1/20 49万7,468トン(  〃   -32%減) 295艘

<米ガルフにおける外航穀物船の積み取り
期間   米ガルフの外航穀物船の積み取り  向こう10日以内の積取予定
3/23-3/29  35隻(前年同期比 -30%減)    48隻
3/16-3/22  35隻(  〃   -21%減)    53隻
3/09-3/15  37隻(  〃   -16%減)    62隻
3/02-3/08  39隻(  〃   -15%減)    67隻
2/23-3/01  41隻(  〃   -13%減)    53隻
2/16-2/22  37隻(  〃   -28%減)    56隻
2/09-2/15  36隻(  〃   -16%減)    47隻
2/02-2/08  36隻(  〃   -33%減)    49隻
1/26-2/01  40隻(  〃   -15%減)    62隻
1/19-1/25  33隻(  〃   -27%減)    45隻
1/12-1/18  32隻(  〃   -26%減)    66隻
1/05-1/11  36隻(  〃   -16%減)    49隻

当社では、本年(2018)1-3月から続く米国穀物の物流経路の悪条件と荷動きの遅れを「買い材料」にするつもりはありません。

米国穀物のバージ輸送や貨車輸送の遅れは米国積み地のFOBベーシスを押し上げている。米国穀物の調達価格は3月中旬にかけて高騰し、そして再び今週の天候条件によってFOBベーシスが上昇しており、それは5月1日まで続く可能性がある。しかし、当社では、将来にわたる「買い材料」とは考えていません。それによって米国トウモロコシの消費ペースが遅い。米国トウモロコシの3月1日時点の全米在庫はかつてない多さであった。米国トウモロコシ輸出は3月の米農務省見通しを下回っている。

<米国トウモロコシの輸出検量
2017/18市場年度(2017年9月1日~2018年3月29日)累計   2444万2,755トン
2016/17市場年度(2016年9月1日~2017年3月30日)前年同期 3334万0,523トン
米農務省は3月8日に発表した需給見通しで、「2017/2018市場年度の米国トウモロコシの輸出需要」を「5652万トン」に引き上げたが、3月28日時点の輸出検量(累計)は「2444万2,755トン」にすぎなかった。米国トウモロコシが「5652万トン」の米農務省の輸出見通しを達成するには、2018年3月30日~2018年8月31日まで5カ月間で「3208万トン」を輸出しなければならない。それは「1週間あたり 145万8,000トン」の輸出が「22週連続する」ことを意味する。3月30日~8月31日まで5カ月間、22週連続で「145万8,000トン」の輸出が続いたとき、米農務省の「輸出見通し=5652万トン」に到達することができる。しかしながら、そのようなことは過去に前例がない。

<米国トウモロコシ=4半期ごとの消費量(米農務省、2018年3月29日発表)
       2017/2018年度 2016/2017年度 2015/2016年度 2014/2015年度
06/01~08/31         29億3649万9千 29億7402万1千 27億2182万4千
03/01~05/31         33億9291万0千 31億1115万4千 32億9681万8千
12/01~02/28 36億7810万5千 37億6147万9千 34億1294万5千 34億6157万4千
09/01~11/30 43億3080万2千 45億0158万7千 40億9798万6千 42億3652万4千
米農務省が3月8日に発表した「2017/2018市場年度の総需要=3億7645万トン」(148億2000万ブッシェル)を達成するためには、3月1日~8月31日の5カ月間で「1億7300万トン」(68億1109万ブッシェル)を消費しなければならない。米国の飼料需要やエタノール需要が一段と拡大しなければならないが、米EIAが発表しているエタノール統計を見ても前年同期比で急拡大しているようすはない。

米国トウモロコシの「7月24日~8月22日積み」調達価格は、韓国農協の購入価格で確かめる予定です。韓国の配合飼料会社は3月下旬以降、現在の情勢で韓国の配合飼料会社は「トンあたり220ドル以下」を目安にしてきた。今週は穀物船の運賃が下げているので「トンあたり218ドル」あたりを想定し、ニュースを待ちたいと思います。

米ガルフのベーシス上昇

米中西部供給地から米ガルフに向けたバージ輸送、米太平洋北西岸(PNW)に向けた貨車輸送が遅れている。米ガルフの米国トウモロコシ4月積みのベーシスは先週の「45セント+CBOT5月限」から「55セント+CBOT5月限」に再び上昇した。

今朝の米ガルフのFOBベーシスが上昇している。

<米ガルフのCIF barge bids
シカゴ(CBOT)の限月記号=K May#, N July, U September, Z December
#2 黄トウモロコシ
米国現地 2018年4月5日(木)
Cash Bids         Change       Basis     Change
04月  4.3850 - 4.4350  up 9.5-dn 13.5   +49K to +54K up 1-5
05月  4.3650 - 4.4350  up 8.5-dn 12.5   +47K to +54K unch-up 4
06月  4.4725       up 10.5-dn 8.5   +49N     up 2-unch
07月  4.4725 - 4.4825  up 10.5-dn 8.5   +49N to +50N up 2-unch
08月  4.3975 - 4.4825  up 8        +35U to +44U unch
09月  4.4775 - 4.4875  up 8        +43U to +44U unch

海上運賃の下落

トウモロコシの調達において、船と現物数量の手配は出発点です。その船の運賃が下落している。アメリカ穀物協会の「週報」は今朝、海上運賃の下落について次のように記していた。
Dry-bulk cargo demand remains softer than expected and rates are suffering. Daily hire rates for Q2 2018 Panamax vessels has dropped to $10,500/day and bids for CAL 2019 are no better than $10,785/day. So, a lot of the recent market optimism is fading – at least for the moment.

Ocean Freight Rate Estimates
Yamamizu Shipping    U.S. Grains Council     U.S. Wheat Associates
日付 U.S.ガルフ-日本   U.S.ガルフ-日本 PNW-日本  U.S.ガルフ-日本 PNW-日本
04/05/2018   43.00     44.00    24.25
03/29/2018   44.50     45.00    24.50     45.00    23.00
03/22/2018   45.50     45.25    24.50     45.00    23.00
03/15/2018   45.00     45.25    24.50     45.00    23.00
03/08/2018   44.50     45.00    24.00     44.00    23.00
03/01/2018   44.50     44.50    24.00     44.00    23.00
02/22/2018   44.00     44.00    23.75     43.00    23.00
02/15/2018   42.50     43.00    23.25     43.00    23.00

外為市場(ドル円)について

本日4月6日(金)の為替は「1ドル=107.00円」を中心に「107.25-107.00-106.75円」で揉み合う。為替水準は昨日5日の三菱UFJ銀行の東京仲値「106.83円」とさほど変わらないと思います。

(1)金融市場の機関投資家による本年第1四半期末の建玉整理は一巡した。
(2)ドル円は当社基準値に戻っている。
(3)株式の戻りが債券市場を圧迫し米国債の利回りが高い。
(4)当社では、米2年債利回りは低下余地があると考えて、円高を追求しています。本日6日(金)のおおまかな範囲は「1ドル=107.50-107.00-106.50円」、「1ドル=107.00円」を中心に「107.25-107.00-106.75円」で揉み合う可能性が高い。

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