「日報」(石油)02/09/2018
市況研究社日報

ブレント原油とWTIの価格差

「市況研究社日報」(石油) 2018年 2月 9日(金)

当社の仮説と検証=ひとつのサイクルの終わり

(ⅰ)金融市場の機関投資家は株や原油などで「買い策動」を繰り返してきた。
(ⅱ)本年1月の新規資金の流入で「買いの連鎖反応」が発生した。
(ⅲ)そして、買うものが買ってしまうと「買いの連鎖反応」は相手を失う。

欧米金融市場の機関投資家は「買い策動」を繰り返し、買いを腹一杯膨らませたあと、それぞれの調査部が「2018年の原油価格予想」を引き上げた。

たとえば、ゴールドマン・サックスは昨年(2017)11月に発表した2018年予想で「ブレント原油=58ドル」を唱えていたが、12月5日に「62ドル」に引き上げ、年明け2月1日には「3カ月予想=75ドル」、「6カ月予想=82.5ドル」と一気に吊り上げた。それはゴールドマンが1月30日までに原油を腹一杯買ったことを物語っている。同社アナリストは恐る恐る買っているときは予想価格を小刻みに引き上げ、目一杯買ったあとに予想価格を大幅に引き上げ、市場の先高観を煽って追随買いを誘った。

投資銀行やファンドは年明け1月第3週から「原油価格予想」を相次いで引き上げた。一般的に、金融機関が「価格予想」を引き上げるとき、「これから機関投資家が買う」ということではない。すでに機関投資家が買い玉を膨らませたあとで、金融機関のアナリストは「価格予想」を改定する。金融機関が「価格予想」を引き上げるとき、機関投資家の買いによって相当な価格に押し上げている。

年明け1月の原油相場では、金融機関のアナリストが相次いで「価格予想」を引き上げたが、すでに買うものが買ってしまったあとでは「買いの連鎖反応」は起きなかった。市場間で上ザヤを形成していた「ブレント原油」期近の買いの回転は止まっていた。

(ⅳ)1月相場では、上ザヤの「ブレント原油」で買いの回転が止まると、下ザヤの「ニューヨーク原油」(WTI)に買いの手が入り、「ニューヨーク原油」(WTI)が上に伸びた。それによって「ブレント原油」と「ニューヨーク原油」(WTI)の価格差が急速に縮小した。当社では1月29日の「日報」で、下ザヤの「ニューヨーク原油」(WTI)が上に伸びて価格差を詰めてきたことについて、<市場エネルギーの老化=ひとつのサイクルの終わり>と特徴付けました。

市場に「あたらしいエネルギー」が流入しているときは、高い市場の高い限月に買いが集まり、ますます価格差をひろげて不均衡を拡大し、それが「市場ダイナミクス」の原動力になる。市場に先高観が台頭すると仮需の思惑に連鎖し、物色の対象も拡大する。しかし、大西洋をはさんで、「ブレント原油」と「ニューヨーク原油」(WTI)の価格差が「6ドル以上」にひらくような相場が永延と続くわけがない。「6ドル格差」が将来の推定の基準になるわけでもないので、いずれ不均衡は「平均への回帰」に道をゆずることになる。「アレがあの値段なら、コレはこのあたり」という経験的な尺度や社会的な通念に目が向けられるようになる。ひとつのサイクルの終盤では下ザヤの市場が上に伸びることによって、市場内部や市場間の価格差が縮小する。

上ザヤの市場では買いの回転が止まり、下ザヤの市場が上に伸びて価格差を詰めてくるとき、それは「平均への回帰」が始まったことを告げている。「ニューヨーク原油」(WTI)が「ブレント原油」との価格差を詰めて「平均に回帰」するとき、<市場エネルギーの老い=ひとつのサイクルの終わり>と見ることができます。
当社の仮説です

ブレントとWTIの価格差

年明け1月の原油相場で、「ブレント原油」期近の買いの回転が止まり、下ザヤの「ニューヨーク原油」(WTI)が価格差を詰めて上伸した。2月相場の基準限月は「2018年4月限」で表示します。

当社では<市場エネルギーの収束=ひとつのサイクルの終わり>と考えています。「ブレント原油」と「ニューヨーク原油」(WTI)の価格差は「4ドル」を切って縮小しておれば当社の仮説と検証はOKです。

日付  ブレント原油4月限 NY(WTI)4月限  価格差

02/09
02/08     64.81     60.94     3.87
02/07     65.51     61.55     3.96
02/06     66.86     63.11     3.75
02/05     67.62     63.83     3.79

02/02     68.58     65.07     3.51
02/01     69.65     65.55     4.10
01/31     68.89     64.56     4.33
01/30     68.52     64.35     4.17
01/29     69.20     65.36     3.84

01/26     70.15     65.97     4.18
01/25     69.97     65.37     4.60
01/24     70.02     65.36     4.66
01/23     69.54     64.31     5.23
01/22     68.63     63.43     5.20

01/19     68.24     63.16     5.08
01/18     68.92     63.71     5.21
01/17     69.00     63.74     5.26
01/16     68.78     63.49     5.29
01/15     69.83

01/12     69.38     64.03     5.35
01/11     68.77     63.46     5.31
01/10     68.73     63.21     5.52
01/09     68.34     62.70     5.64
01/08     67.31     61.62     5.69

01/05     67.10     61.30     5.80
01/04     67.51     61.73     5.78
01/03     67.29     61.41     5.88
01/02     66.13     60.33     5.80
01/01     新年

12/29     66.44     60.40     6.04
12/28     65.77     59.84     5.93
12/27     65.60     59.68     5.92
12/26     66.04     59.98     6.06
12/25     クリスマス

わが国石油会社の購入原油価格の基準とCIF参考値

本日2月9日(金)の本日2月9日(金)の為替は「109.00-108.65-108.30円」を想定します。寄り付き前の試算は「1ドル=108.65円」で計算します。

中東原油は、ドバイ原油期近1番限で「61.30ドル」あたりに下げて始まるので、昨日のアジア終値から「-910円安」が目安です。年明け1月の戻り高値から「-5,000円/KL安」(リットルあたり-5円安)です。

わが国石油会社の購入原油価格の基準とCIF予想

※掲載は省略


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