「日報」(石油)03/06/2018
市況研究社日報

リビア原油生産の回復

「市況研究社日報」(石油) 2018年 3月6日(火)

昨日の「日報」で、「リビア西部のジンタン出身のHatern Al-Hadiという名前の男が3月4日(日)、所有地を通るパイプラインのバルブを閉めたことで、シャララ油田の操業が止まった」ことをお伝えしました。そして、リビア現地翌日3月5日(月)13:50には、「リビアオブザーバー」が「Sharara oilfield resumes production after a day of shutdown」と伝えた。パイプラインは再開したわけです。

外為市場のドル円

為替(ドル円)は、本年(2018)1月から2月の切片移動によって、2010~2012年の線形回帰の水準に回帰した可能性が高い。

市場テーマが動くとき、あるいは市場テーマが変わるとき、1次関数<y=Ax+B>の切片(B)がおおきく移動する。そして、切片(B)が移動しているときは、あたかも「目的変数」(y)と「説明変数」(x)が逆行しているように見えることがある。それが本年(2018)1月から2月相場であった。

2月16日以降の作業仮説にもとづくと、本日3月6日は「1ドル=106.60-106.25-105.90円」の想定レンジで計算します。本年1~2月の切片移動が継続しており、当面このようにして適合する水準を探します。

米国日付 米2年債利回り 当社基準値  日本日付 実際の東京仲値
03/05(18)  2.24   106.60円   03/06 106.60-106.25-105.90円
03/02(18)  2.25   106.75円   03/05   105.55円

03/01(18)  2.22   106.30円   03/02   106.28円
02/28(18)  2.25   106.75円   03/01   106.73円
02/27(18)  2.27   107.05円   02/28   107.37円
02/26(18)  2.22   106.30円   02/27   106.86円
02/23(18)  2.25   106.75円   02/26   106.92円

02/22(18)  2.25   106.75円   02/23   107.01円
02/21(18)  2.26   106.90円   02/22   107.52円
02/20(18)  2.25   106.75円   02/21   107.54円
02/19(18)              02/20   106.80円
02/16(18)  2.21   106.15円   02/19   106.30円

リビア原油生産の回復

「リビアオブザーバー」は3月5日(月)、現地13:50の更新で「Sharara oilfield resumes production after a day of shutdown」と伝えた。

ある男が3月4日(日)にシャララ原油のパイプラインを閉めてから1日後、翌日5日(月)にはパイプラインは再開した。そのことは「プラッツ社」のニュースでも確認した。
Libya's key Sharara crude oil pipeline reopened after latest closure
London (Platts)--5 Mar 2018 1219 GMT

リビアの原油生産は、おおきく言って東部と西部があります。東部は主要出荷ターミナルが稼働しています。今回2月23日の「アルフィール油田」(日量約7万バレル)の操業停止とリビア国営石油による「不可抗力条項」の発動から1週間あまりのあいだで、「シャララ油田」(日量約30万バレル)、「ハナダ油田」(日量約1万バレル)まで一時的に停止した。

そして、3月5日(月)にはパイプラインが再開し、「シャララ油田」と「ハナダ油田」の操業は再開した。「アルフィール油田」(日量約7万バレル)については依然停止している。

当社では、昨日の「日報」で次のように記しました。当社の基本姿勢です。

<パイプラインの閉鎖で、3つの油田が操業を止めた。石油施設を破壊したり、そこで働く労働者を殺しているわけではない。このあとの成り行きの予測は難しい。時間がかかるかもしれないし、あるいは、すぐにも回復するかもしれないので手掛かりにできません。原油市場で買い策動を繰り返している金融市場の投資資金にとっても、リビア情勢は「わけがわからない」ので、材料にできていないと思います。これが長引くと、金融市場の投資資金は「買い材料」にする可能性はあります。われわれとしては、リビアのことはリビアのやり方で折り合いをつけてもらうしかありません。われわれは買い方ではないので、人間の英知を信じて成り行きを待ちたいと思います。>

本年(2018)は、シェルやBPがリビア国営石油(NOC)と長期契約を結んだ。3月1日には中国石油天然気(ペトロチャイナ)も年間長期契約を結んだ。「アルフィール油田」(日量7万バレル、生産能力日量10万バレル)の再開は必要と考えています。

米国原油生産と需給見通し

2018~2019年の米国原油生産と需給見通しは、米EIAのデータにもとづいてお伝えしています。本日3月6日(火)は、3月予想が更新されます。

われわれは、米EAIが毎月発表している予想値の変化を通して、米EIAが算出している将来の推定値の考え方を理解することができます。

(ⅰ)アラスカ油田は例年、夏季定修(メンテナンス)があるので5~9月に減少する。
(ⅱ)米メキシコ湾の油田は例年、8~10月にハリケーンの影響を受ける。
(ⅲ)米内陸部のシェールオイル生産は2030-2040年に向けて増加が続く。
(ⅳ)米国原油在庫は例年、1~5月に増加する。
(ⅴ)2019年に向けて、原油は下落する公算が大きい。

当社の仮説と検証

原油相場に「金融市場の投資資金」が流入し、「一方向の思惑人気」が突き動かしているときは、市場内部や市場間の価格差が不均衡に拡大し、その不均衡が「市場ダイナミクス」の原動力になります。

しかし、大西洋をはさんで軽質原油の価格差が「6ドル以上」というのは異常であった。「ブレント原油」と「NY(WTI)」の「6ドル格差」は、通常の平均的尺度から逸脱(いつだつ)しており、将来の推定の基準になるものではない。それを「4ドル以下」に詰めるのは<平均への回帰>です。

<不均衡>から<平均への回帰>に移行することは、それまでの市場エネルギーの収束を意味します。「買いの連鎖反応」がその相手を失って回転が止まったことを表している。「買いの連鎖反応」が止まっておれば、買い方が買っているときだけ戻すことがあっても、それ以上の連鎖はないので、物事が必要とする時間とともに買い方の買い玉の回転は止まる。

当社「日報」では、「ブレント原油」と「NY(WTI)」が「4ドル以下の価格差」に詰めることは<ひとつのサイクルの終わり>(ひとつの相場の終わり)とお伝えしました。

これから4-5月に向けて製油所の定修(メンテナンス)があり、米国原油在庫にも<季節的な傾向値>があります。「金融市場の投資資金」は原油相場に相当なおカネを注ぎ込んでいるので、買い方は下げに抵抗すると思います。

われわれは事実に立脚し、物事が必要とする時間を味方にして臨んでいけばOKです。

●当社の仮説と検証

ブレントとWTIの価格差について<2018年5月限>で表示します。

価格差で表示する数列の伸縮が、相場の値動きの方向を表しており、<価格差4ドルを切ること=平均への回帰>はとても重要です。

「ブレント原油」が「ニューヨーク原油」(WTI)に対して、価格差が現状の「+4ドル以下=+3ドル台」なら多少の振幅はしのいでいけると思います。もし、「ブレント原油」が再び「+4ドル」や「+5ドル」の上ザヤを買い始めるなら、売り方は防御の姿勢が必要になると思います。

そして、当面の原油相場で「ブレント原油2018年5月限」が「63.20ドル」に下げれば、売り方にとってもう少し楽になると思います。

●ブレントとWTIの価格差(2018年5月限)

日付  ブレント原油5月限 NY(WTI)5月限  価格差

03/06
03/05     65.54     62.39     3.15

03/02     64.37     61.09     3.28
03/01     63.83     60.80     3.03
02/28     64.73     61.47     3.26
02/27     66.52     62.90     3.62
02/26     67.29     63.77     3.52

02/23     67.04     63.41     3.63
02/22     66.11     62.60     3.51
02/21     65.15     61.52     3.63
02/20     65.05     61.56     3.49
02/19     65.39

02/16     64.53     61.20     3.33
02/15     64.00     60.78     3.22
02/14     64.02     60.27     3.75
02/13     62.44     58.75     3.69
02/12     62.33     58.73     3.60

02/09     62.48     58.67     3.81
02/08     64.49     60.62     3.87
02/07     65.15     61.19     3.96
02/06     66.48     62.70     3.78
02/05     67.28     63.41     3.87

02/02     68.28     64.61     3.67
02/01     69.35     65.21     4.14
01/31     68.57     64.31     4.26
01/30     68.21     64.11     4.10
01/29     68.94     65.10     3.84

01/26     69.80     65.67     4.13
01/25     69.60     65.10     4.50
01/24     69.60     65.03     4.57
01/23     69.15     64.09     5.06
01/22     68.26     63.23     5.03

01/19     67.90     62.96     4.94
01/18     68.59     63.49     5.10
01/17     68.65     63.52     5.13
01/16     68.45     63.27     5.18
01/15     69.48

01/12     68.98     63.77     5.21
01/11     68.37     63.20     5.17
01/10     68.35     62.98     5.37
01/09     67.96     62.49     5.47
01/08     66.95     61.48     5.47

01/05     66.73     61.15     5.58
01/04     67.11     61.52     5.59
01/03     66.90     61.21     5.69
01/02     65.79     60.20     5.59
01/01     新年

12/29     66.09     60.27     5.82
12/28     65.46     59.73     5.73
12/27     65.31     59.60     5.71
12/26     65.72     59.86     5.86
12/25     クリスマス

12/22     64.06     58.48     5.58
12/21     63.79     58.30     5.49
12/20     63.48     58.04     5.44
12/19     62.83     57.49     5.34
12/18     62.35     57.12     5.23

12/15     62.02     56.97     5.05
12/14     62.05     56.81     5.24
12/13     61.26     56.26     5.00
12/12     62.21     56.97     5.24
12/11     63.37     57.90     5.47

12/08     62.59     57.39     5.20
12/07     61.60     56.68     4.92
12/06     60.77     56.01     4.76
12/05     62.26     57.44     4.82
12/04     61.87     57.12     4.75

12/01     62.94     57.95     4.99
11/30     61.84     57.09     4.75
11/29     61.78     57.01     4.68
11/28     62.55     57.68     4.87
11/27     62.61     57.70     4.91

11/24     62.71     58.17     4.54
11/23     62.52
11/22     62.26     57.55     4.71
11/21     61.70     56.80     4.90
11/20     61.53     56.53     5.00

11/17     61.95     56.85     5.14
11/16     60.85     55.67     5.18
11/15     61.27     55.86     5.41
11/14     61.53     56.19     5.34
11/13     62.72     57.31     5.41

11/10     62.92     57.28     5.64
11/09     63.10     57.58     5.52
11/08     62.61     57.24     5.37
11/07     62.79     57.45     5.34
11/06     63.09     57.48     5.61

11/03     61.06     55.81     5.25
11/02     59.70     54.77     4.93
11/01     59.60     54.47     5.13
10/31     60.06     54.54     5.52
10/30     59.74     54.41     5.33

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□ 市況研究社日報(日刊、E-mail)_総合 _/_/_/_/_/_/_/_/
□ 発行 市況研究社 http://www.shikyo.ecweb.jp/ _/_/_/_/_/
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