市況研究社日報

原油供給が潤沢

「市況研究社日報」(石油) 2018年 4月6日(金)

国際原油取引の指標である「ブレント原油」は、昨日4月5日のアジア終値時点(プラッツ社の査定時間)で「期近6月限=68.24」「同7月限=67.76ドル」「同8月限=67.29ドル」であった。本日4月6日(金)のアジア原油市場は、昨日のアジア終値より安い。TOCOMの円貨/KL建て相場は、為替で押し上げられる。

(1)金融市場の機関投資家による本年第1四半期末の建玉整理は一巡した。
(2)ドル円は当社基準値に戻っている。
(3)株式の戻りが債券市場を圧迫し米国債の利回りが高い。
(4)当社では、米2年債利回りは低下余地があると考えて、円高を追求しています。

本日6日(金)の為替はおおざっぱに「1ドル=107.50-107.00-106.50円」、「1ドル=107.00円」を中心に「107.25-107.00-106.75円」で揉み合う可能性が高い。

米国原油の増産と輸出

米国原油の輸出量は「3月24日-3月30日」、1日あたり「217万5千バレル」に増加した。米国原油の輸出量は平均して1日あたり「150万バレル以上」で推移するようになった。今後とも、2030-2040年に向けて米国原油の増産が続くので、米国原油の輸出も1日あたり「150万~200万バレル以上」に増加する公算が大きい。

サウジアラビアとロシアが一昨年(2016)、原油の「減産計画」を作ったとき、「米国原油の輸出量が1日あたり200万バレル以上に増加する」と想定していただろうか? サウジアラビアなどが減産を喧伝しているあいだに、米国原油は中国などアジア市場に向けて販路を拡大してきた。米国原油輸出の1/4はカナダ向け、もう一つ1/4は中国向けです。

     米国原油の月間輸出量   1日あたり輸出量
2018年 3月            (170万)
    2月            (160万)
    1月  4158万7千バレル   134万2千バレル
2017年12月  4695万5千バレル   151万5千バレル
   11月  4602万2千バレル   153万4千バレル
   10月  5365万9千バレル   173万1千バレル
    9月  4418万1千バレル   147万3千バレル
    8月  2393万0千バレル    77万2千バレル
    7月  2769万1千バレル    89万3千バレル
    6月  2359万2千バレル    78万6千バレル
    5月  3171万5千バレル   102万3千バレル
    4月  3002万3千バレル   100万1千バレル
    3月  2584万5千バレル    83万4千バレル
    2月  3124万9千バレル   111万6千バレル
    1月  2312万6千バレル    74万6千バレル

2030-2040年に向けたあたらしい世界

米国やカナダ、ブラジルなどの増産に対して、サウジアラビアは旧来の手法である「減産」で対抗している。そして、欧米金融市場の機関投資家も、サウジアラビアの減産にチョーチンをつけて原油市場で「買い策動」を繰り返している。

しかし、それは喩えて言えば、アニメの「ナルト」の「無限月読の術」のように、サウジアラビアの減産は「無限月読の減産」となって朽ちていく公算が大きい。

日銀黒田執行部の「異次元緩和」も、サウジアラビアの「減産」も、反対に作用する要素が相殺するので、当初の目的が達成されないままダラダラ延長される。自ら止めることができずに朽ちていく。「買い材料」にはならないと考えています。

<米国の原油生産と需給(週間速報値)
単位: 1日あたりバレル
Source: U.S. Energy Information Administration
         ┏━━━━━━━━━━━━┓   ┏━━━━━━━━━━━┓
週       米国原油生産 原油輸入 供給合計 原油処理量 原油輸出 需要合計
03/24-03/30/2018  1046万0千 789万8千 1835万8千 1693万6千 217万5千 1911万1千
03/17-03/23/2018  1043万3千 814万8千 1858万1千 1679万5千 157万8千 1837万3千
03/10-03/16/2018  1040万7千 707万7千 1748万4千 1677万7千 157万3千 1835万0千
03/03-03/09/2018  1038万1千 758万5千 1796万6千 1636万7千 148万7千 1785万4千
02/24-03/02/2018  1036万9千 800万3千 1837万2千 1593万5千 149万8千 1743万3千
02/17-02/23/2018  1028万3千 728万2千 1756万5千 1588万2千 144万5千 1732万7千
02/10-02/16/2018  1027万0千 702万1千 1729万1千 1583万3千 204万4千 1787万7千
02/03-02/09/2018  1027万1千 788万8千 1815万9千 1616万2千 132万2千 1748万4千
01/27-02/02/2018  1025万1千 789万2千 1814万3千 1679万7千 128万7千 1808万4千
01/20-01/26/2018  991万9千 843万0千 1834万9千 1601万3千 176万5千 1777万8千
01/13-01/19/2018  987万8千 804万1千 1791万9千 1648万3千 141万1千 1789万4千

※米EIAは来週4月10日に「4月見通し」(Outlook)を発表します。

ブレント原油と「ニューヨーク」(WTI)の価格差

(1)欧米金融市場の機関投資家は、2016年9-11月あたりから原油市場で「買い策動」を繰り返している。すでに相当のおカネをつぎこんでいる。「ブレント原油」と「ニューヨーク」(WTI)の期近の価格差=4ドル以上は、機関投資家の「買い策動」を反映している。

(2)その価格差が拡大しているときは、ファンドが買いの手を入れている。このため(石油市場の売り方は)「ファンドの買い策動に対して臨んでいる」という心構えが必要と思います。

<ブレントとWTIの価格差
日付  ブレント原油6月限 NY(WTI)6月限  価格差

04/06
04/05     68.33     63.54     4.79
04/04     68.02     63.33     4.69
04/03     68.12     63.46     4.66
04/02     67.64     62.99     4.65  

03/29     69.34     64.87     4.47
03/28     68.76     64.35     4.41
03/27     69.46     65.18     4.28
03/26     69.52     65.41     4.11

03/23     69.81     65.71     4.10
03/22     68.38     64.18     4.20
03/21     69.07     64.95     4.12
03/20     67.13     63.31     3.82
03/19     65.82     61.96     3.86

03/16     66.05     62.25     3.80
03/15     64.95     61.13     3.82
03/14     64.76     60.91     3.85
03/13     64.52     60.65     3.87
03/12     64.79     61.16     3.63

03/09     65.27     61.69     3.58
03/08     63.44     59.91     3.53
03/07     64.15     60.75     3.40
03/06     65.55     62.16     3.39
03/05     65.30     62.05     3.25

03/02     64.11     60.78     3.33
03/01     63.59     60.44     3.15
02/28     64.46     61.14     3.32
02/27     66.28     62.63     3.65
02/26     67.04     63.45     3.59

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