市況研究社日報

8月6日(5月8日を起点にして90日)

「市況研究社日報」(石油) 2018年8月3日(水)

当社「日報」では7月12日以降、原油市場における<価格形成の構造>と<規則>が変わったことをお伝えしてきました。

(1)国際原油取引の指標=ブレント原油の順ザヤ化
(2)中東原油のオマーンおよびドバイはブレント原油との価格差を縮小
(3)ブレント原油とニューヨーク原油(WTI)の価格差も縮小しており、こうした市場間価格差の縮小とブレント原油の順ザヤ化は相場の戻りを抑えると予想しました。

そうは言っても、来週月曜日は「8月6日」です。目の前に「8月6日」が迫ってくると、石油市場の思惑人気は「米国のイラン制裁」に目が向くようになる。

原油相場が<下げのプロセス>にあっても、「8月6日」前は「小戻しで揉み合う」可能性がある。ハッキリと指摘することはできませんが、前日からの原油相場は、小浮動で揉み合うことが多くなったように感じています。

8月6日

●米国のイラン制裁

米国のトランプ大統領は本年(2018)5月8日、「2015年イラン核合意」から一方的な脱退を宣言し、イランに対する経済制裁を表明した。

米財務省外国資産管理局はイラン制裁の行程を発表した。
<米国のイラン制裁内容と事業縮小期間
2018年5月8日を起点にして90日(2018年8月6日)
2018年5月8日を起点にして180日(2018年11月4日)

●2018年8月6日=制裁内容

(1)イラン政府による米ドルの購入または取得に対する制裁
(2)金または貴金属のイランとのトレードに対する制裁
(3)グラファイト、統合された工業プロセスで使用する原料又は半製品のアルミニウム、鉄鋼、石炭、ソフトウェアのイランとの直接又は間接の売却、供給又は移転に対する制裁
(4)イラン・リヤルの売買に関連する相当の取引又はイラン・リヤルが流通するイラン領域外の相当の資金又は口座の維持に対する制裁
(5)イラン国債の購入、発行または発行の融通に対する制裁
(6)イランの自動車セクターに対する制裁

●11月4日=制裁内容

(1)IRISLを含むイランの港湾、船舶輸送、船舶建造セクターに対する制裁
(2)NIOC、NICO、NITCなどとのイランからの石油、石油製品又は石油化学製品の購入を含む石油関連取引に対する制裁
(3)非米国金融機関とイラン中央銀行又はNDAA(国防授権法)2012セクション1245により指定されたイラン金融機関との取引に対する制裁 ※注1
(注1)イランから輸入する原油等の代金決済のためイラン中央銀行等と金融取引を行った外国金融機関への制裁。制裁の除外を受けるためには、金融機関の母国がイラン原油の購入量の「相当量の削減」をする必要があり、米国政府が相当量の削減を認定した場合、制裁対象から当該国が除外される。トランプ政権は「相当量の削減」の定義を示していないが、オバマ政権時代(2012年)に使われたパラメータ(「約20%削減」)を上回る削減を要求する可能性がある。
(4)CISADAセクション104(c)(2)(E)(ii)に定めるイラン中央銀行又はイラン金融機関に対する特殊金融サービスに対する制裁
(5)保険、再保険に対する制裁
(6)イランのエネルギーセクターに対する制裁(ISAセクション5(a))※注2
(注2)非米国人を対象として、イランの石油資源の開発、イランにおける石油精製品の生産、イランへの石油精製品の輸出、イラン国外における石油資源の開発に係るイランとのジョイントベンチャー、イランにおける石油資源の開発及び石油精製品の生産への援助、イランからの石油化学製品の購入及び開発、イランからの原油の輸送、イラン由来の原油及び石油精製品を積む船舶の所有、運航及び管理などが想定。

●当社の立場と意見

当社では7月12日以降、原油市場の<価格形成の構造>と<規則>が変わり、下げのプロセスにあると考えています。

しかし、8月6日や11月4日前は市場の思惑人気が「米国のイラン制裁」を手掛かりに動いてくる可能性があるので、それに左右されて揉み合うこともあり得ると思います。

第1段階の「71.50~69.50ドル」を目指すためには、ここを乗り切って行かなければならない。

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□ 発行 市況研究社 http://www.shikyo.ecweb.jp/ _/_/_/_/_/
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