市況研究社日報

景気サイクル終盤の短期資金の変化

「市況研究社日報」(石油) 2018年11月21日(水)

国際原油取引の指標は「ブレント原油」(ICE)です。

<昨夜のブレント原油 2018年11月20日(火)
限月      始値   高値   安値  帳入値  前日比
01月限 2019  66.90  66.90  61.71  62.53  -4.26
02月限 2019  67.14  67.14  62.06  62.84  -4.24
03月限 2019  67.28  67.31  62.33  63.05  -4.22
04月限 2019  67.40  67.42  62.53  63.21  -4.19
05月限 2019  67.46  67.47  62.72  63.36  -4.16
06月限 2019  67.49  67.56  62.85  63.44  -4.13
07月限 2019  67.47  67.49  62.93  63.46  -4.08
08月限 2019  67.36  67.40  62.90  63.40  -4.03
09月限 2019  67.20  67.26  62.82  63.28  -3.99

-4ドル安の崩落

当社では1週間前、先週11月14日(水)の「日報」で、ブレント原油期近が「65.30~64.10ドル」あたりに下げると、相対力指数もかなり低下しているので、ここからは一筋縄ではいかないと予想し、当面は戻りの可能性に注意を払いながら、売り建玉を減らして臨むところと記しました。

通常の相場であれば、ブレント原油期近2019年1月限が「65.30~64.10ドル」に下げると、一旦は自律反発であれ何であれ「戻りの可能性」を想定し、戻りの様子を見るところにあたる。

実際、ここ1週間の石油市場は「戻りの可能性」を試した。

アジア市場のオイル・ハブ=シンガポールの「ナフサ/ガソリン」のクラックは記録的な低迷が続いたまま、昨夜の相場で再び-4ドル安の崩落となった。

当社の立場と意見

(ⅰ)景気サイクルの終盤にあたり、景気後退を備えて短期資金の動きが変わってきた可能性
(ⅱ)米国「感謝祭」のテクニカル要因

ブレント原油2019年1月限
年初 1月 2日 始値 63.38、高値 63.46、安値 63.20帳入値 63.25
昨夜11月20日 始値 66.90、高値 66.90、安値 61.71帳入値 62.53

ブレント原油2019年1月限は年初の値段を下回るところに下げ、ブレント原油期近継続足の「60ドル」を視野に入れた。

朝の「日報」は、詳しくまとめる時間がないので、当社の考えを手っ取り早く、「広瀬隆雄氏の意見」に追加して記します。今朝の広瀬氏の意見は当社と共通しています。

「この原油下げは、サウジアラビアがどうの、米国のシェール・オイル増産がどうの、という動きじゃない。この下げは景気後退が来ることを叫んでいる。

「最近の相場で、顧客から預かった全ての資産を失ったヘッジファンドマネージャー。原油を買っていたらしい。

「原油も株も、年初来のパフォーマンスは±0%になった。一方、米2年債は2.7%で回っている。

広瀬氏は今朝、上に抜粋したように米2年債利回りとの対比で、原油、株に言及した。

この意見は当社と共通しています。本年(2018)前半の相場では、米経済の拡大→ 原油買い→ 株買い→ インフレ期待→ 利上げ予想→ 米ドル上昇 のような一方向の思惑が席巻した。しかし、米国の政策金利がGDP成長率を超えて3%台に上昇する可能性は低い。米短期債の指標である米2年債利回りはすでに大幅に上昇し、10年債利回りとの格差を縮小している。

景気サイクルの終盤は、先行きの不透明感が高まる。ボラティリティを抑制しようする動機も台頭する。すでに米債券市場ではイールド・カーブがフラット化しているので、短期債にシフトすることで、年間の投資リターンを得られるようになっている。

景気サイクルの終盤が意識されてくると、本年9月のように一方向に走る情勢ではない。リスクを抑制しつつ、より高いインカムを求める動きに変わってくる。昨夜の原油下げは、短期資金に変化が起きている可能性が高い。

ブレント原油は期近継続足の「60ドル」を視野に入れて。「景気後退」を織り込んできているのかもしれない。しかし、「雰囲気」や「気分」だけで「景気後退」を思惑すると、足もとをすくわれます。今週の米国市場は「11月22日(木)」が休場、「23日(金)」は短縮取引です。テクニカルな要素も考慮しなければならない。

「景気サイクル終盤」「景気後退の可能性」「短期資金の変化」は、各市場の各論で検証し、それと同時に<構想力>も練り上げて臨む必要があります。

本日の中東原油

本日の中東原油は、おおざっぱに東京(TOCOM)プラッツ・ドバイ原油期近2番限=12月限で「61.30~61.40ドル」あたりを想定し、為替「1ドル=112.80円」で換算すると「43,520円/KL」です。昨日の12月限が「46,080円/KL」だったので「-2,560円安」見当です。

「ドバイ・マーカンタイル取引所」(DME)のオマーン原油期近1番限のマーカー・プライスで「62.30ドル」、プラッツ・ドバイ原油の期近1番限で「61.60ドル」の可能性が高い。前日比「-2,650円安」あたりです。

11月22日(木)の米国感謝祭休日とそのあとの短縮取引を控えてテクニカルな要素も予想されるので、<全体観>と<各市場の各論>の相互の検証が必要です。

本日の東京為替は、米2年債利回りを指標にみると「1ドル=112.80円」を中心に「112.95-112.80-112.65円」レンジで揉み合うと思います。

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