市況研究社日報

「市況研究社日報」(石油)

第3622号  2018年 1月30日(火)

「買い策動」の終わり

昨年第3四半期以降の相場では「ブレント原油」と「ニューヨーク原油」(WTI)の期近の価格差が「6ドル以上」に拡大したが、今朝の価格差は「4ドルを切る」ところに縮小した。当社では、市場内部の限月間価格差や市場間価格差に焦点をあてるとき、次のように考えています。昨日29日の「日報」要旨をもう一度記します。

●ブレントとWTIの価格差縮小は<買い策動の終わり>を告げる

(ⅰ)市場内部の限月間の価格差や市場間の価格差が拡大するとき、買い方が積極的に手を入れ、思惑の買いを膨らませていることを表している。

とくに、期近が「大逆ザヤ」になったり、市場間の価格差が異常に拡大するときは、その原動力として「若いエネルギー」の活発な活動がある。原油市場では年初1月3日、「ブレント原油期近3月限=67.84ドル」、「NY(WTI)3月限=61.55ドル」で、大西洋をはさんで「6.29ドル」の価格差にひらいた。それは「平均的な価格差の運動」から乖離した異常な数値であった。

価格差が異常な数値に伸びるとき、それだけ買い方の動きが積極的で、あたらしいエネルギーが市場に流入していることを表す。本年(2018)年明けにあたらしい資金が流入し、「買っている市場」「買っている限月」が跛行的に上昇した。

「買っている市場」「買っている限月」が不均衡に上昇することを「市場ダイナミクス」と言うこともできる。本年1月第2週から第3週は、欧米金融機関の調査部が「2018年の原油価格予想」を引き上げたときであった。金融市場の機関投資家は、原油市場で「買い策動」を繰り返したあと、年明けの相場でその調査部が「原油=80ドル」を打ち出した。大手報道機関もそれに追随した。

(ⅱ)本年1月相場で、市場人気のなかで「買いの連鎖反応」が発生した可能性が高い。しかし、買うものが買ってしまうと「買いの連鎖反応」は相手を失う。

原油市場に「あたらしいエネルギー」が流入し、「買い意欲」が底流しているときは、高い市場がさらに上昇し、高い限月がさらに高くなる。思惑人気は罫線の格好(かっこう)に追随し、モメンタムに飛び乗ってくるので、高いところがますます高くなる。限月間や市場間の価格差が拡大する。しかし、買うものが買ってしまうと「買いの連鎖反応」は枯渇し、高い市場の高い限月で買いの回転がきかなくなる。

当初は「若いエネルギー」の思惑で価格差が拡大しても、買うものが買って取組高を形成してしまうと、時間の経過とともにエネルギーが老いてくる。ブレント原油期近で買いの回転が止まると、今度は下ザヤの「ニューヨーク原油」(WTI)に買いの手が拡大するようになる。

上ザヤの「ブレント原油」の買いの回転が止まると、下ザヤの「ニューヨーク原油」(WTI)の方が「買いやすく」見えてくるようになり、買いの手が下ザヤの市場に拡大する。それによって「ニューヨーク原油」(WTI)が「ブレント原油」にサヤを詰めて上昇する。「ブレント原油」と「ニューヨーク原油」(WTI)の期近の価格差が急速に縮小する。

(ⅲ)当社では、下ザヤの「ニューヨーク原油」(WTI)が上の伸びるとき「市場エネルギー」の老化、「ひとつのサイクルの終わり」と考えています。

はちきれるような「若いエネルギー」が流入しているときは、高い市場の高い限月に買いが集まり、ますます価格差をひろげて不均衡を拡大し、それが「市場ダイナミクス」の原動力になる。しかし、市場エネルギーが老いてくると、高い市場の買いの回転が止まり、下ザヤの市場が「買いやすい」ようにみえてくるようになる。市場の思惑人気は、下ザヤ市場に買いの手をひろげるようになる。下ザヤの市場にまで買いの手が伸びると「買いの連鎖反応」は相手を失うことになり、ひとつのサイクルの終わりを迎える。

当社では、下ザヤの限月、下ザヤの市場が上に伸びるとき、<ひとつのサイクルの終わり>と考えています。買いの手が拡大し、「買いの連鎖反応」が終盤になった可能性が高い。当社の想定が間違っていなければ、市場間の価格差が縮小し、限月間価格差も縮小し、<平均への回帰>が検証できると思います。
※これは、当社の仮説にもとづいています。

●為替

本日の為替は「1ドル=108.90円」前後で揉み合っておればOKです。

●ブレントとWTIの価格差

今朝の相場で、価格差は「4ドル」を切った。

日付  ブレント原油3月限 NY(WTI)3月限  価格差

01/30
01/29     69.46     65.56     3.90

01/26     70.52     66.14     4.38
01/25     70.42     65.51     4.91
01/24     70.53     65.61     4.92
01/23     69.96     64.47     5.49
01/22     69.03     63.57     5.46

01/19     68.61     63.31     5.30
01/18     69.31     63.89     5.42
01/17     69.38     63.92     5.41
01/16     69.15     63.67     5.48
01/15     70.26

01/12     69.87     64.23     5.64
01/11     69.26     63.68     5.58
01/10     69.20     63.42     5.78
01/09     68.82     62.87     5.95
01/08     67.78     61.72     6.06

01/05     67.62     61.41     6.21
01/04     68.07     61.90     6.17
01/03     67.84     61.55     6.29
01/02     66.57     60.38     6.19
01/01     新年

12/29     66.87     60.44     6.43
12/28     66.16     59.87     6.29
12/27     65.99     59.69     6.30
12/26     66.46     60.00     6.46
12/25     クリスマス

12/22     64.73     58.54     6.19
12/21     64.43     58.40     6.03
12/20     64.11     58.13     5.98
12/19     63.40     57.58     5.82
12/18     62.61     57.23     5.38

12/15     62.65     57.24     5.41
12/14     62.66     57.01     5.65
12/13     61.81     56.50     5.31
12/12     62.73     57.13     5.60
12/11     64.00     58.04     5.96

12/08     63.03     57.46     5.57
12/07     61.95     56.76     5.19
12/06     61.03     56.05     4.98
12/05     62.64     57.65     4.99
12/04     62.24     57.42     4.82

12/01     63.46     58.31     5.15
11/30     62.34     57.40     4.96
11/29     62.24     57.31     4.93
11/28     62.99     58.00     4.99
11/27     63.09     58.08     5.01

●わが国石油会社の購入原油価格の基準とCIF参考値

本日1月30日(火)の中東原油のドバイ原油予想と今月推移

※掲載は省略


------------------------------------------------------------------

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
□ 市況研究社日報(日刊、E-mail)_総合 _/_/_/_/_/_/_/_/
□ 発行 市況研究社 http://www.shikyo.ecweb.jp/ _/_/_/_/_/
_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/